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新聞 2003年7月29日

元気印企業

リュウド(新潟県松代町)

携帯電話の用途拡大
折りたたみ式キーボード開発 75機種以上に対応

 ◆これが売りだ
 進化する携帯電話の重要性に着目し、国内初の携帯電話専用の折りたたみ式キーボードを開発し、すでに3機種発売した。75種類以上の携帯電話に対応できるのが最大の特徴だ。約400台の携帯電話のしくみを解析した技術は、他社の追随を許さない。
 キーボードはパソコンと同じ配列で、ローマ字入力のかな漢字変換方式。キーピッチは縦15mm、横17mmと使いやすさを追求した。重さはわずか200g。広げた大きさは縦9cm、横30cmだが、折りたためば背広の内ポケットに入る。携帯電話を支える背面スタンドもPシリーズ専用に反転でき、省電力設計だ。


細心の注意を払って出荷される携帯電話専用キーボード。
若者らの人気を集めそうだ=新潟県松代町のリュウド本社

 キーボードは中国で製造し、頭脳部分のソフトは漏洩防止のため、本社内で書き込みしている。店頭の販売価格は1万円前後。
 「営業報告のメカツールとしての需要が期待できる。かな入力方式をはじめ、年内には4機種を追加発売する予定で、全7機種をラインナップしたい」と意気込む長沢久吉社長。流行の最先端を行く東急ハンズ渋谷店の携帯電話関連商品コーナーで、同製品の人気はベスト10内に入る実績をみせた。

 ◆今後の挑戦
 「米国に勤務していたころ、いくつもの有名な企業が山の中など不便な場所にあった。地方でも事業を起こせるという気持ちになりましたね」と振り返る長沢社長。リュウドの本社も豪雪地帯にあるが、道路整備の無雪化で宅配便も利用でき、ファクスやインターネットの普及でインフラは東京とほとんど同じになった。この環境は「東京の企業と同じ機能、品質レベルの商品を作れば、コストが安い地方の方が競争に勝てる」と断言する。
 同社では訪問介護事業者向けに、携帯電話を応用した介護ヘルパー給与自動計算情報システムをすでに開発。ヘルパーが持つ携帯電話を要介護者宅に置いた出退勤管理アダプターに接続すれば、同社のサーバーが自動的に出退勤管理と給与計算を行う。このため、ヘルパー1人あたりの給与計算コストを大幅に下げることができ、近く事業化を目指す。
 長沢社長は「たとえもうけることができなくても、世界の人に使ってもらえるモノやサービスを生み出し続ける職業を一生続けていきたい」と語った。

 

主な事業=携帯電話関連ソフト・ハードウェアの開発と販売▽資本金=1億515万円▽売上高=1億6000万円(3月期)▽従業員=パート4人を含む14人▽創業=平成4年にリュウドを法人化▽本社所在地=新潟県松代町太平187(TEL.02559・5・6760)/開発室は同県長岡市新産4-1-10▽URL=http://www.reudo.co.jp▽長沢社長の略歴=同県松之山町出身。SONYテレビ事業部、リモコンメーカー「クーロン」の米国子会社を経て昭和62年に独立。43歳。