必要経費の大幅削減により商品価格を約3割安くできる
廃校になった保育園をオフィスに変身させ、低コスト経営に成功したのがリュウド(株)。『日本最大の豪雪地帯、県内過疎率第2位の自治体』である新潟県松之山町から全国展開を実現したパソコン周辺機器メーカーだ。
同社の敷地面積はオフィス、倉庫、駐車場を合わせ157坪。その月額家賃が、なんと3万円と破格。
「驚異的に家賃が安い分(笑)、浮いた費用を開発に回すことができる。競合のある商品なら、東京や大阪にある企業の約3割は価格を安くするこも可能。商品価格で勝負することもできるんですよ」と、代表取締役の長澤久吉氏。
また、この町は温泉旅館が多く、女性の雇用先は大半が旅館。勤務開始時間は夕方からが多いため、共働きの夫婦はどうしてもすれ違いになってしまう。同社はそこを巧くフォローした。
「従業員の半数はパートの女性を起用しています。彼女たちは日中に働くことができるし、人件費も抑えられる」
しかし、同社があるのは豪雪地帯。物流では不利ではないかと思うのだが、「物流に関してはすべて宅配便に任せています。今のご時世、四国まででも翌日には配送してくれますから。問題ないです」と長澤氏は笑う。
加えて、コンピュータ・ビジネスはアメリカが主力。同社は自社開発以外はアメリカメーカーの製品に特化しているため、ビジネス情報は東京を経由することなく、海外からネットでいち早く届くのだ。
「ネットワークをフルに生かせば地方で起業しても不便はない。逆に物価が安い分、資金を使うところ、使わないところを徹底できる。都会で起業するよりメリットは大きいと思いますね」